この記事の結論
外国人を正社員で雇う前に、在留カードで次の4つを確かめてください。
・働ける在留資格か(表面の「就労制限の有無」)
・任せたい仕事が、その在留資格に合っているか
・在留期間が切れていないか
・カードが本物か
特に大事なのは2つ目です。カードに働けると書いてあっても、仕事の内容が在留資格に合っていなければ、その仕事はさせられません。
① 表面の「就労制限の有無」を見る
在留カードの表面には、「就労制限の有無」という欄があります。書かれている内容は、次のどれかです。
就労制限なし
永住者や日本人の配偶者などです。日本人と同じように、仕事の内容に制限はありません。
在留資格に基づく就労活動のみ可
「技術・人文知識・国際業務」などの就労の在留資格です。認められた種類の仕事しかできません。②で詳しく説明します。
指定書により指定された就労活動のみ可
「特定活動」の方です。パスポートに付いている指定書で、認められた仕事を確かめてください。
就労不可
原則として雇えません。
② 任せたい仕事が、在留資格に合っているかを確かめる
「在留資格に基づく就労活動のみ可」の方は、在留資格ごとに、できる仕事が決まっています。
たとえば「技術・人文知識・国際業務」は、大学や専門学校で学んだ知識を使う仕事や、外国語を使う仕事のための在留資格です。客室の清掃や皿洗いが中心の仕事は認められません。
転職してくる方を雇うときは、特に注意が必要です
今の在留資格は、前の会社での仕事に合わせて許可されたものです。御社で任せる仕事が同じ在留資格の範囲に入るかどうかは、あらためて確かめる必要があります。
合っているか判断に迷うときは、「就労資格証明書」を申請する方法があります。御社での仕事が今の在留資格で認められるかを、入管が書面で示してくれるものです。仕事の内容が合わないときは、働き始める前に在留資格の変更を申請します。
転職者を雇うときの手続きは、こちらでも説明しています → 外国人雇用・ビザ申請について
③ 在留期間が切れていないかを見る
表面の「在留期間(満了日)」を見て、期限が切れていないかを確かめます。
期限が過ぎていても、満了日より前に更新の申請をしていれば、結果が出るまで(最長で満了日から2か月まで)は、それまでと同じ在留資格で日本にいられます。
窓口で申請した場合は、カードの裏面に申請中であることが書かれます。オンラインで申請した場合は書かれないので、申請を受け付けたことが分かるものを本人に見せてもらって確かめてください。
④ カードが本物かを確かめる
偽造された在留カードを使った不法就労も起きています。次の方法で確かめてください。
カードを傾けて見る
「MOJ」の文字のまわりの模様や、顔写真の下のホログラムは、傾けると色や見え方が変わります。
在留カード等読取アプリを使う
出入国在留管理庁が無料で配布しているアプリです。スマートフォンでカードのICチップを読み取り、券面の情報と同じかを確かめられます。
番号を照会する
出入国在留管理庁のサイトの「在留カード等番号失効情報照会」で、番号が失効していないかを調べられます。ただし、これだけでは有効なカードかどうかの証明にはならないので、ほかの方法と組み合わせてください。
⑤ 「知らなかった」では済みません
働く資格のない外国人を雇うと、雇った側も「不法就労助長罪」に問われます。在留カードを確かめなかったなどの過失があれば、知らなかったという理由で責任を免れることはできません(入管法第73条の2第2項)。
今の罰則は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。両方を科されることもあります。2027年4月1日からは、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げられます。
確かめた日と、確かめた内容(カードの写しなど)を記録しておくと安心です。
⑥ 雇ったあとに必要なこと
外国人を雇ったときは、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が事業主の義務です。届出には在留カードの番号を書きます。この手続きは社会保険労務士の業務なので、当事務所では社労士をご紹介します。
⑦ 留学生などをアルバイトで雇う場合
留学生や家族滞在の方をアルバイトで雇うときは、裏面の「資格外活動許可」と、週28時間までの時間の制限を確かめてください → 飲食店が外国人留学生をアルバイトで雇うときの注意点
⑧ 迷ったときは、採用の前にご相談ください
「この仕事を、この在留資格の方に任せてよいか」「転職してくる方の在留資格で大丈夫か」。判断に迷うときは、採用を決める前にご相談ください。申請取次行政書士が、在留カードと仕事の内容を確かめたうえで、必要な手続きをご案内します。初回のご相談は無料です。
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